仕事の進め方

TODO・タスク管理の基本: 抜け漏れを減らす書き方と優先順位の決め方

TODOをただ並べるのではなく、期限、完了条件、次の一手、確認待ち、優先順位まで整理して、抜け漏れと手戻りを減らすための実務ガイドです。

更新日: 2026-07-30

まず結論

TODO管理は、やることをたくさん書き出すための作業ではありません。目的は、次に何をすればよいかを迷わず、抜け漏れと手戻りを減らすことです。

仕事のTODOには、最低限次の5つを書きます。

  1. 作業名: 何をするのか
  2. 完了条件: どこまでできたら終わりか
  3. 期限: いつまでに必要か
  4. 次の一手: まず何から始めるか
  5. 確認相手: 誰に見せる、聞く、渡すのか

「資料作成」とだけ書くと、いつ、何を、どこまで作るのかが分かりません。「7月30日15時までに、A社提案資料の初稿を10枚で作り、山田さんへレビュー依頼する」と書けば、次に動けます。

TODO管理でよく起きる困りごと

若手のうちは、TODO管理が苦手というより、TODOに書く粒度を教わっていないことが多いです。

よくあるのは、次のような状態です。

  • 頭の中では覚えているつもりだが、細かい依頼が抜ける
  • TODOリストはあるが、どれから手をつけるか毎朝迷う
  • 「作業中」のまま止まっているタスクが増える
  • 相手の確認待ちを忘れ、期限直前に慌てる
  • 上司に進捗を聞かれてから、状況を整理し始める

これは能力の問題というより、仕事を外に出す仕組みの問題です。TODOは記憶の代わりに置くものです。覚えようとせず、見れば分かる状態にします。

悪いTODOとよいTODO

まず、TODOを「作業名だけ」で止めないようにします。

悪いTODO何が困るかよいTODO
資料作成何の資料か、いつまでか、どこまで作るか不明A社提案資料の初稿を10枚で作り、7/30 15:00に山田さんへレビュー依頼
メールする誰に、何を、いつまでに送るか不明佐藤さんへ見積確認メールを送り、7/31午前までの回答を依頼
調査調べる範囲とアウトプットが不明競合3社の料金ページを確認し、比較表にURLと月額料金を記入
会議準備何を準備すれば終わりか不明8/1定例のアジェンダ案を作り、前日17時までに参加者へ共有

TODOは、自分だけが分かるメモではなく、未来の自分や上司に見せても意味が分かるメモにします。

TODOに必ず書く5項目

1. 作業名: 動詞で書く

TODOは「資料」「A社」「会議」ではなく、動詞で書きます。

  • 作る
  • 調べる
  • 送る
  • 確認する
  • 依頼する
  • 修正する
  • 共有する

動詞で書くと、次の行動が見えます。「A社」だけでは動けませんが、「A社の契約条件を確認する」なら動けます。

2. 完了条件: 何ができたら終わりか

TODOで一番大事なのは完了条件です。

たとえば「議事録を書く」なら、どこまでできたら完了でしょうか。

  • メモをきれいにする
  • 決定事項とTODOを整理する
  • 参加者へ共有する
  • 上司の確認をもらう

仕事では、作業が終わったつもりでも、相手から見るとまだ終わっていないことがあります。完了条件は、仕事の受け方・進め方で確認する「成果物」とセットで考えます。

3. 期限: 最終期限と自分の期限を分ける

期限は、相手に提出する最終期限だけでなく、自分が作業を終える期限も分けて置きます。

最終期限: 金曜 17:00に提出
自分の作業期限: 木曜 15:00までに初稿
確認依頼: 木曜 16:00に上司へレビュー依頼

最終期限ぎりぎりに自分の作業が終わる計画だと、確認や修正の時間がありません。期限があるTODOは、スケジュール管理の基本とセットで考えます。

4. 次の一手: 最初の5分でやることを書く

TODOが大きいほど、着手が遅れます。

「資料を作る」ではなく、最初の一手まで分けます。

大きいTODO: 提案資料を作る
次の一手: 過去の提案資料を2つ探す
次の一手: 目次案を5項目で書く
次の一手: 上司に方向性を確認する

最初の一手は、5分から15分でできる粒度にします。迷っている時間を減らすためです。

5. 確認相手: 誰に聞くかを決める

TODOには、自分だけで完了できるものと、誰かの確認が必要なものがあります。

確認相手がいるTODOには、相手の名前と確認タイミングを書きます。

TODO: A社提案資料の初稿を作る
確認相手: 山田さん
確認タイミング: 7/30 15:00に初稿レビュー依頼
リマインド: 7/31 10:00

「確認待ち」は忘れやすい状態です。自分の手元から離れた瞬間に、TODOリストから消してしまうと危険です。

優先順位の決め方

TODOが複数あるときは、気分ややりやすさだけで順番を決めないようにします。

基本は、次の順番で見ます。

  1. 期限が近いもの
  2. 他人の作業を止めているもの
  3. 意思決定や売上など、影響が大きいもの
  4. 今日やらないとリカバリーが難しいもの
  5. すぐ終わり、全体を前に進めるもの

迷ったときは、「これを今日やらないと誰が困るか」と考えると判断しやすくなります。

優先順位を決める簡単な表

TODOを次のように並べると、優先度を決めやすくなります。

TODO期限影響誰が待っているか今日やるか
A社資料の初稿明日15時上司、営業担当やる
経費精算今週中経理空き時間
議事録共有今日17時会議参加者やる
競合調査来週火曜自分30分だけ進める

大事なのは、全部を今日やろうとしないことです。今日必ず進めるものを3つに絞ります。

進捗を見えるようにする

TODOは、状態で分けると管理しやすくなります。

  • 未着手
  • 作業中
  • 確認待ち
  • 修正待ち
  • 完了

特に大事なのは「確認待ち」です。

自分の作業が終わっていても、相手の確認が終わらないと仕事全体は完了しません。確認待ちのTODOには、必ずリマインド日を置きます。

確認待ち: A社提案資料の初稿レビュー
確認相手: 山田さん
レビュー依頼: 7/30 15:00
リマインド: 7/31 10:00
最終提出: 8/1 17:00

進捗共有の文例は、報連相と進捗共有でも扱います。

上司・先輩に共有しやすいTODOの型

上司や先輩に進捗を聞かれたとき、TODOリストをそのまま見せられる状態にしておくと強いです。

たとえば、次の型でまとめます。

現在の状況: A社提案資料の初稿作成中です
完了予定: 今日15時までに初稿、16時にレビュー依頼予定です
確認したいこと: 料金比較の見せ方を2案で迷っています
困っていること: 競合B社の料金ページが見つかっていません
次の一手: まず目次と比較表だけ先に見ていただきたいです

これは、長い説明ではなく、相手が判断しやすい材料を渡すためのメモです。

ツールよりも大事なこと

TODO管理は、紙のノート、メモアプリ、スプレッドシート、Notion、タスク管理ツールのどれでも始められます。

ツールより大事なのは、次の3つです。

  • 置き場所を1つに決める
  • 毎日見る
  • 終わったもの、止まっているものを更新する

複数のツールにTODOが散らばると、抜け漏れが増えます。最初は、仕事用のTODOを1か所に集めるだけで十分です。

よくある失敗と直し方

失敗1: TODOが大きすぎる

「資料作成」「調査」「会議準備」のように大きく書くと、着手が重くなります。

直し方は、最初の一手まで分けることです。

資料作成

過去資料を2つ探す
目次案を5項目で書く
上司に方向性を確認する

失敗2: 期限だけを書いている

期限があっても、完了条件がなければ何を出せばよいか分かりません。

「金曜まで」ではなく、「金曜17時までに、比較表を1枚で作り、Slackで共有する」と書きます。

失敗3: 確認待ちを忘れる

相手に投げた瞬間に安心してしまうと、締切前に慌てます。

確認待ちには、リマインド日を置きます。相手を急かすためではなく、仕事全体を止めないためです。

失敗4: 今日やることが多すぎる

TODOリストが20個あっても、今日集中して進められるものは限られます。

毎朝、今日必ず進めるTODOを3つだけ選びます。残りは見える場所に置きますが、全部を今日の自分に背負わせないようにします。

次にやること

まず、今日のTODOをすべて書き出してください。

そのうえで、次の3つだけを直します。

  1. 作業名を動詞で書く
  2. 期限と完了条件を書く
  3. 今日必ず進めるものを3つ選ぶ

TODO管理は、きれいなリストを作ることではありません。仕事を前に進めるための地図を作ることです。