まず結論
スケジュール管理は、予定をきれいに並べるための作業ではありません。約束した時間に、必要な仕事を終えられる状態を作るためのものです。
仕事で管理する時間は、主に次の5つです。
- 固定予定: 会議、面談、外出など動かしにくい予定
- 最終期限: 提出、回答、公開、納品などの締切
- 作業時間: 調査、資料作成、確認、修正に使う時間
- 確認日: 上司、先輩、関係者に途中版を見せる日
- リマインド日: 相手の確認待ちを思い出す日
締切だけを覚えていても、作業時間と確認日がなければ遅れます。スケジュール管理では、締切から逆算して「いつ作るか」「いつ見せるか」「いつ直すか」を先に置きます。
カレンダーに会議だけ入れると遅れやすい
よくある失敗は、カレンダーには会議だけ、TODOリストには締切だけを書くことです。
この状態だと、次のようなことが起きます。
- 会議は見えているが、作業時間が見えていない
- 締切は覚えているが、いつ着手するか決まっていない
- 上司レビューの時間を見込んでいない
- 相手から返事がないまま、最終期限が近づく
- 予定変更があったとき、TODO側に反映されない
カレンダーは、会議の置き場だけではなく、仕事に使う時間の置き場です。30分以上かかる作業は、できるだけカレンダーに置きます。
締切から逆算する基本手順
スケジュールは、今日から前向きに積み上げるより、締切から逆算したほうが現実的です。
1. 最終期限を置く
まず、相手に渡す期限を置きます。
最終期限: 金曜 17:00 提案資料を営業担当へ共有
ここで大事なのは、「自分が作り終える時間」ではなく、「相手に渡る時間」として書くことです。
2. 確認日を置く
次に、上司や関係者に見てもらう時間を置きます。
確認日: 木曜 15:00 上司へ初稿レビュー依頼
レビューが必要な仕事では、提出日の前に確認日が必要です。金曜17時が締切なら、金曜16時に初めて見せる計画はかなり危険です。
3. 修正時間を置く
確認後に直す時間も予定に入れます。
修正時間: 金曜 10:00-12:00 レビュー反映
レビューをもらうと、誤字修正だけでなく、構成変更や追加調査が必要になることがあります。修正時間をゼロで見積もると、簡単に遅れます。
4. 作業時間をブロックする
最後に、自分が作業する時間を置きます。
水曜 10:00-11:00 構成案作成
水曜 14:00-16:00 初稿作成
木曜 10:00-12:00 図表と数字確認
木曜 13:00-14:30 初稿仕上げ
カレンダーに作業時間を置くと、その時間に別の予定を入れすぎることを防げます。
スケジュールに入れるべき5種類の予定
固定予定
会議、面談、移動、社内イベントなど、動かしにくい予定です。
固定予定は最初に置きます。固定予定のすき間に、作業時間を入れていきます。
最終期限
提出、回答、公開、納品など、守るべき期限です。
最終期限はTODOリストだけでなく、カレンダーにも置きます。締切が見える場所にないと、作業時間を確保しにくくなります。
作業時間
資料作成、調査、レビュー、修正など、自分で確保する時間です。
「空いた時間にやる」と考えると、だいたい後ろに流れます。30分以上かかる作業は予定として置きます。
確認日
上司、先輩、関係者に途中版を見せる日です。
確認日は、完璧なものを見せる日ではありません。方向性のずれを早めに直すための日です。これは仕事の受け方・進め方でも大事な考え方です。
リマインド日
相手の確認待ち、回答待ち、承認待ちを思い出す日です。
リマインド日は、相手を責めるためではなく、仕事全体を止めないために置きます。
作業時間の見積もり方
作業時間は、最初から正確に見積もれなくてかまいません。
ただし、見積もるときは、作業を小さく分けます。
提案資料作成 4時間
↓
過去資料を探す 30分
構成案を書く 45分
数字を確認する 60分
スライド初稿を作る 90分
上司に見せる前に整える 45分
大きな作業をまとめて「4時間」と置くより、分けたほうが遅れに気づきやすくなります。
見積もりが外れたら、次回のために直します。スケジュール管理は、一度で当てるゲームではありません。自分の作業時間の感覚を少しずつ育てるものです。
ミーティング調整の基本
会議を調整するときは、候補日時だけでなく、目的、所要時間、事前に見てほしいものを添えます。
A社提案資料の方向性確認で30分お時間ください。
目的: 目次案と料金比較の見せ方を決めたいです
候補: 火曜10:00、火曜15:00、水曜11:00
事前共有: 今日17時までに目次案を送ります
目的と所要時間があると、相手は優先度を判断しやすくなります。
避けたいのは、次のような依頼です。
どこかで少しお時間ください。
これだけだと、相手は何分必要なのか、何を決めるのか、急ぎなのかを判断できません。
遅れそうなときの伝え方
どれだけ管理していても、遅れそうになることはあります。
大事なのは、遅れが確定してからではなく、遅れそうだと分かった時点で共有することです。
A社提案資料について、当初は本日15時に初稿共有予定でしたが、
競合B社の料金確認に時間がかかっており、15時時点では料金比較が未完成になりそうです。
15時には、構成案と料金比較以外のページを先に共有します。
料金比較は本日18時までに追記予定です。
この進め方で問題ないか確認させてください。
ポイントは、事実、影響、代替案、確認したいことをセットで出すことです。詳しくは報連相と進捗共有で扱います。
毎朝と毎週の見直し
スケジュールは、作って終わりではありません。
毎朝見ること
毎朝、次の3つを確認します。
- 今日の固定予定
- 今日中に進めるTODO
- 誰かの確認待ち
今日の作業時間が足りないと分かったら、その時点で優先順位を見直します。TODO・タスク管理の基本で扱う「今日やる3つ」を決めるのもこのタイミングです。
毎週見ること
週の始めには、今週の締切と大きめの作業を確認します。
- 今週必ず提出するもの
- 誰かに確認してもらうもの
- 30分以上の作業時間が必要なもの
- 後ろにずらすと困るもの
週単位で見ると、「水曜までに初稿を作らないと金曜提出が危ない」のように、遅れの芽を早めに見つけられます。
よくある失敗と直し方
失敗1: 締切だけを見ている
締切だけを見ていると、作業時間と確認時間が抜けます。
直し方は、締切の前に「確認日」と「作業時間」を置くことです。
失敗2: 作業時間を予定に入れていない
会議だけでカレンダーが埋まっていると、いつ作業するかが見えません。
30分以上かかる作業は、仮でもよいのでカレンダーに置きます。
失敗3: 確認待ちを放置する
相手に依頼したあと、返事を待つだけにすると止まりやすくなります。
確認依頼を出したら、リマインド日も一緒に置きます。
失敗4: 予定変更をTODOに反映しない
会議が増えたり、急な依頼が入ったりしたら、元の予定は崩れます。
予定が変わったら、TODOの期限、作業時間、確認日も見直します。カレンダーだけ直してTODOを直さないと、抜け漏れが起きます。
次にやること
今日のTODOを見て、30分以上かかりそうな作業をカレンダーに入れてください。
次に、締切がある仕事について、次の3つを置きます。
- 自分の作業時間
- 上司や関係者への確認日
- 相手の確認待ちに対するリマインド日
スケジュール管理は、予定を詰め込むことではありません。遅れそうな仕事を、早めに見えるようにすることです。