会議・ドキュメント

議事録とTODO管理: 決定事項・担当者・期限が伝わる書き方

会議の決定事項、TODO、担当者、期限、未決事項を抜け漏れなく残し、会議後に仕事を前へ進めるための議事録の書き方です。

更新日: 2026-07-30

まず結論

議事録は、会議の内容を全部書き起こすための文書ではありません。会議後に、何が決まり、誰が、何を、いつまでにやるかを確認するための文書です。

良い議事録は、読んだ人が次に動けます。

決定事項:
TODO:
未決事項:
次回確認:

この4つが明確なら、多少文章が短くても実務では役に立ちます。逆に、発言録として詳しく書かれていても、決定事項とTODOが曖昧なら、会議後に仕事が止まります。

議事録の目的

議事録の目的は、会議の記録をきれいに残すことではありません。

目的は、次の3つです。

  1. 決まったことを参加者でそろえる
  2. 次に動く人と期限を明確にする
  3. 未決事項や宿題を見えるようにする

会議では、その場では分かったつもりでも、終わってから認識がずれることがあります。

  • 誰が対応するつもりだったのか
  • いつまでにやる話だったのか
  • 決定したのか、まだ検討中なのか
  • 次回までに何を確認するのか

議事録は、このずれを早いうちに直すためのものです。

必ず入れる項目

議事録には、最低限、次の項目を入れます。

項目書くこと
会議名何の会議か
日時いつ開催したか
参加者誰が参加したか
目的何のために集まったか
決定事項会議で決まったこと
TODO誰が何をいつまでにやるか
未決事項まだ決まっていないこと
次回確認次に確認する論点やタイミング

テンプレートから始めたい場合は、会議・議事録テンプレートを使ってください。最初から空白の文章を書くより、決定事項とTODOの枠を先に置いた方が抜け漏れを減らせます。

決定事項の書き方

決定事項は、「何となくそういう方向」という雰囲気ではなく、あとで見返して判断できる形で書きます。

悪い例です。

- A社向け提案は、だいたいB案で進めることになった。
- 金額は調整する。

これだと、どこまで決まったのか分かりません。

良い例です。

決定事項:
- A社向け提案はB案の構成で進める。
- 見積もりは月額30万円案を基本とし、オプション費用は別紙に分ける。
- 初稿は7月31日 15:00までに営業チームへ共有する。

決定事項では、次の観点を入れます。

  • 何を決めたか
  • 条件や前提は何か
  • いつから、どこまで適用するか
  • 次に誰が確認するか

すべてを長く書く必要はありません。ただし、あとで「結局どうするんだっけ」とならない程度には具体化します。

TODOの書き方

TODOには、担当者、期限、完了条件を入れます。

TODO: A社向け見積もり条件を整理する
担当: 田中さん
期限: 7月31日 12:00
完了条件: 条件表を営業チームのチャットに共有し、上長確認へ回す

TODOで特に大事なのは、完了条件です。

「資料を作る」だけだと、どの状態で完了なのか分かりません。

悪い例:
- A社資料を作る

良い例:
- A社提案資料の初稿を作成し、7月31日 15:00までに営業チームへ共有する

会議中に担当者が曖昧なまま話が進んだら、その場で確認します。

このTODOは、どなたが担当しますか。
期限は次回会議前の8月2日でよいでしょうか。
完了条件は、資料共有まででよいですか。

ここを遠慮して流すと、議事録を共有したあとに「これは誰がやるんでしたっけ」となります。

TODOを会議後のタスクとして管理する考え方は、TODO・タスク管理の基本でも扱っています。

未決事項の書き方

未決事項は、「決まらなかったこと」を放置しないために書きます。

未決事項:
- A社提案の導入スケジュールは、先方の8月体制が未確認のため未決。
- 8月1日までに佐藤さんが先方へ確認し、次回会議で再度決める。

未決事項にも、担当者と次の確認タイミングを入れます。

未決事項が多い会議では、決まらなかったこと自体が悪いのではありません。何が未決で、次にどう決めるかが見えていないことが問題です。

悪い議事録と良い議事録

同じ会議でも、議事録の書き方で会議後の動きやすさは変わります。

悪い議事録です。

A社提案について議論した。
B案がよさそうという話になった。
見積もりは調整する。
資料は次回までに作る。

この議事録では、次のことが分かりません。

  • B案で決定なのか、検討中なのか
  • 見積もりを誰が調整するのか
  • 資料を誰が作るのか
  • 次回がいつなのか
  • 何をもって完了なのか

良い議事録です。

決定事項:
- A社提案はB案の構成で進める。
- 見積もりは月額30万円案を基本とし、オプション費用は別紙に分ける。

TODO:
| TODO | 担当 | 期限 | 完了条件 |
|---|---|---|---|
| A社提案資料の初稿作成 | 鈴木さん | 7月31日 15:00 | 営業チームのチャットへ共有 |
| 見積もり条件の確認 | 田中さん | 7月31日 12:00 | 条件表を更新し、資料作成者へ連絡 |

未決事項:
- 導入スケジュールは、先方の8月体制が未確認のため未決。
- 佐藤さんが8月1日までに先方へ確認する。

良い議事録は、文章が美しいというより、仕事の行き先が見えます。

会議中のメモの取り方

会議中は、発言を全部拾おうとしすぎないことが大事です。

優先して見るのは、次の4つです。

  • 決まったこと
  • 誰かが引き取ったこと
  • まだ決まっていないこと
  • 次回までに確認すること

議論が長い場合は、経緯をすべて書くのではなく、論点と結論を分けます。

論点: A社提案の見せ方
主な意見: A案は分かりやすいが一般論に見える。B案は具体的だが前提が外れると弱い。
結論: 今回はB案で進める。

会議の最後には、議事録係だけで抱えず、参加者に確認します。

最後に、決定事項とTODOを確認します。
決定事項は2点、TODOは3件で合っていますか。
担当者と期限に違和感があれば、今ここで直したいです。

会議そのものの準備や進め方は、会議の準備と進め方も参考にしてください。

会議後の共有文例

議事録は、できるだけ会議直後に共有します。時間が経つほど、参加者の記憶も薄くなります。

共有時は、本文に確認してほしい観点を添えます。

本日の議事録です。

確認してほしいこと:
- 決定事項に認識違いがないか
- TODOの担当者、期限、完了条件に抜け漏れがないか
- 未決事項の次回確認タイミングが合っているか

修正があれば、本日18時までにコメントください。
特に問題なければ、この内容で進めます。

「共有します」だけで終わらせるより、何を確認してほしいかを明確にした方が戻りが早くなります。

進捗共有や悪い報告の出し方は、報連相と進捗共有ともつながります。

AIを使うときの注意

AIで議事録を作ると、発言の要約や整形は速くなります。ただし、最終確認は人間が行います。

特に注意するのは、次の点です。

  • 決まっていないことを決定事項として書いていないか
  • 担当者を取り違えていないか
  • 期限を勝手に補っていないか
  • 重要な未決事項を落としていないか
  • 社外に出せない情報が含まれていないか

AIの議事録は、たたき台として使うと便利です。ただし、決定事項、TODO、担当者、期限は、会議参加者の認識と合っているか確認します。

よくある失敗と直し方

失敗1: 発言録になっている

発言を順番に並べるだけだと、会議後に何をすればよいか分かりにくくなります。

直し方は、発言の時系列ではなく、決定事項、TODO、未決事項に整理し直すことです。

失敗2: TODOに担当者がない

担当者がないTODOは、誰も動けません。

直し方は、会議中に「これは誰が持ちますか」と確認することです。

失敗3: 期限が「なるべく早く」になっている

「なるべく早く」は、人によって意味が違います。

直し方は、日付と時刻で書くことです。

悪い例: なるべく早く共有する
良い例: 7月31日 15:00までに営業チームへ共有する

失敗4: 決定事項と未決事項が混ざっている

検討中のことを決定事項に入れると、あとで大きな認識違いになります。

直し方は、決まったことと、まだ決まっていないことを分けることです。

失敗5: 共有が遅い

時間が経つほど、記憶が曖昧になります。

直し方は、完璧な議事録を待たず、決定事項とTODOだけでも先に共有することです。

次にやること

次の会議では、最初から次の4つの見出しを置いてメモしてください。

決定事項:
TODO:
未決事項:
次回確認:

会議の最後に、この4つを声に出して確認します。議事録は、会議をきれいにまとめるためではなく、会議後の仕事を止めないためにあります。