まず結論
ビジネスチャットやメールでは、丁寧さだけでなく、相手がすぐ判断できることが大事です。
文章を書く前に、次のどれなのかを決めます。
- 共有したいだけ
- 確認してほしい
- 判断してほしい
- 作業を依頼したい
- 返事がほしい
- 謝罪して、次の対応を伝えたい
目的がはっきりすると、文章は短くなります。
基本形は次の通りです。
用件:
背景:
依頼・確認したいこと:
期限:
補足:
特に、依頼内容と期限は本文の中に埋もれないようにします。相手が「自分は何を返せばよいのか」をすぐ理解できる文章が、仕事では親切です。
チャットとメールの使い分け
SlackやTeamsのようなチャットは、短いやりとりに向いています。メールは、社外連絡、正式な依頼、あとで検索して確認したい連絡に向いています。
| 種類 | 向いていること | 注意点 |
|---|---|---|
| チャット | 短い確認、進捗共有、軽い相談、社内連絡 | 短すぎると往復が増える |
| メール | 社外連絡、正式な依頼、記録に残したい連絡 | 長すぎると要点が埋もれる |
迷ったら、次のように考えます。
- すぐ読んでほしい社内確認はチャット
- 社外に正式に依頼するならメール
- 長い前提や添付資料があるならメール
- 途中の軽い確認ならチャット
- 決定事項やTODOを残すなら、議事録やメールでも残す
会議後の決定事項やTODOは、議事録とTODO管理ともつながります。
チャットで伝わる書き方
チャットは短くてよいですが、「短い」と「情報が足りない」は違います。
悪い例です。
すみません、資料の件で相談です。
これだけだと、相手は内容も緊急度も分かりません。相手は「何の資料ですか」「何を相談したいですか」と聞き返す必要があります。
良い例です。
A社提案資料の2ページ目について相談です。
結論としては、料金比較表を入れる方向で進めたいです。
本日15時までに、この方向で問題ないかだけ確認いただけますか。
何の話か、どうしたいのか、いつまでに何を返してほしいのかが分かります。
チャットでは、最初の1メッセージに次の3つを入れると往復が減ります。
何の話か:
相手にしてほしいこと:
期限:
メールで伝わる書き方
メールでは、件名で用件が分かるようにします。
件名: A社提案資料 初稿確認のお願い(7/30 17時まで)
本文は、次の順番にすると読みやすくなります。
お世話になっております。
用件:
お願いしたいこと:
期限:
背景:
添付・リンク:
どうぞよろしくお願いいたします。
社外メールでは、礼儀は大切です。ただし、あいさつや前置きが長すぎると、肝心の依頼が見えにくくなります。丁寧にしつつ、用件は早めに書きます。
依頼の文例
依頼では、何をしてほしいか、いつまでに必要か、どの粒度でほしいかを書きます。
チャットで依頼する
A社提案資料についてお願いです。
2ページ目の課題整理に違和感がないか、
本日15時までに確認いただけますか。
見ていただきたいのは、文章の細かい表現ではなく、
課題設定の方向性です。
「確認お願いします」だけでなく、どこを見てほしいかを絞ります。
メールで依頼する
件名: A社提案資料 初稿確認のお願い(7/30 17時まで)
お世話になっております。
A社提案資料の初稿を作成しました。
お手数ですが、本日17時までに以下2点をご確認いただけますでしょうか。
確認いただきたいこと:
1. 2ページ目の課題整理が先方の状況と合っているか
2. 6ページ目の料金比較に不足がないか
資料はこちらです。
URL: ...
いただいたコメントを反映し、明日午前に修正版を共有します。
どうぞよろしくお願いいたします。
メールでは、件名にも期限を入れると見落とされにくくなります。
確認の文例
確認では、相手に何を判断してほしいのかを明確にします。
A社提案資料の進め方について確認です。
自分の理解:
- 今回はB案の構成で進める
- 見積もりは月額30万円案を基本にする
- オプション費用は別紙に分ける
この理解で合っていますか。
問題なければ、この内容で初稿を作成します。
認識合わせの確認では、「合っていますか」と聞くだけでなく、自分の理解を書きます。
仕事を受けた直後の確認事項は、仕事の受け方・進め方でも詳しく扱っています。
催促・リマインドの文例
催促は、相手を責めるためではなく、仕事を前に進めるために行います。
きつく見えやすいので、次の3つを入れます。
- 何の件か
- いつまでに必要か
- 返答が難しい場合の代替案
軽いリマインド
A社提案資料の確認について、念のためリマインドです。
本日17時までにコメントをいただけると助かります。
難しそうであれば、先に2ページ目の課題整理だけ確認いただけますか。
期限が迫っているとき
A社提案資料の確認について再度ご連絡です。
明日午前に先方へ共有予定のため、
本日18時までに確認コメントをいただきたいです。
もし全体確認が難しければ、
2ページ目の課題整理と6ページ目の料金比較だけ先に見ていただけますでしょうか。
催促では、「まだですか」だけを書かないようにします。相手が動きやすいように、必要な範囲を絞るのがコツです。
お礼の文例
お礼は短くて構いません。ただし、何に対するお礼かを書くと伝わりやすくなります。
A社提案資料へのコメント、ありがとうございます。
特に2ページ目の課題整理の指摘が助かりました。
いただいた内容を反映し、本日中に修正版を共有します。
社外メールでは、少し丁寧にします。
お世話になっております。
資料をご確認いただき、ありがとうございました。
いただいたご指摘をもとに、2ページ目の課題整理と6ページ目の料金比較を修正いたします。
修正版は明日午前中にお送りします。
引き続きよろしくお願いいたします。
お礼は、単なる礼儀だけでなく、次に何をするかを伝える機会にもなります。
謝罪の文例
謝罪では、申し訳なさを長く書くより、事実、影響、対応、再発防止を整理します。
A社提案資料について、こちらの確認不足で数字に誤りがありました。
申し訳ありません。
事実:
5ページ目の月額費用で、税抜と税込が混在していました。
影響:
料金比較の順位が変わる可能性があります。
対応:
現在、全ページの料金表記を確認しています。
30分以内に修正版と影響範囲を共有します。
再発防止:
今後は提出前に、税抜・税込の表記チェックを確認項目に追加します。
謝罪の文章では、言い訳を先に長く書かないようにします。まず、何が起きたか、どう影響するか、どう対応するかを伝えます。
悪い報告の考え方は、報連相と進捗共有でも扱っています。
日程調整の文例
日程調整では、候補日時を複数出し、タイムゾーンや所要時間も必要に応じて書きます。
A社提案資料の確認会について、日程調整のお願いです。
以下のいずれかで30分ほどお時間いただけますでしょうか。
- 7月31日 10:00-10:30
- 7月31日 15:00-15:30
- 8月1日 11:00-11:30
上記が難しければ、来週前半で候補をいただけますと幸いです。
「いつが空いていますか」だけだと、相手が候補を考える負担が増えます。こちらから候補を出すと調整が早くなります。
悪い例と良い例
同じ依頼でも、書き方で相手の動きやすさが変わります。
悪い例
資料確認お願いします。
急ぎです。
何を、いつまでに、どの観点で見ればよいか分かりません。
良い例
A社提案資料の初稿確認をお願いします。
期限:
本日17時まで
見てほしいこと:
- 2ページ目の課題整理が先方の状況と合っているか
- 6ページ目の料金比較に不足がないか
細かい表現はこの後こちらで整えるため、
まずは内容面だけ確認いただけると助かります。
良い文章は、相手の頭の中の作業を減らします。
よくある失敗と直し方
失敗1: 丁寧に書こうとして依頼が埋もれる
あいさつや背景が長くなり、結局何をしてほしいのか分からなくなることがあります。
直し方は、最初に用件を書くことです。
本日は、A社提案資料の初稿確認をお願いしたくご連絡しました。
失敗2: 期限を書かない
期限がない依頼は、相手の中で優先順位が下がりやすくなります。
直し方は、日付と時刻を書くことです。
本日17時までに確認いただけますでしょうか。
失敗3: 「確認お願いします」だけで送る
何を見ればよいか分からないと、相手の確認に時間がかかります。
直し方は、確認観点を2、3個に絞って書くことです。
失敗4: 複数の話題を1つのメッセージに詰め込む
1つの文章に複数の依頼が入ると、返信漏れが起きやすくなります。
直し方は、話題を分けるか、番号を振ることです。
確認したいことは2点です。
1. A社資料の構成
2. 明日の会議時間
失敗5: 催促が責める文章に見える
「まだでしょうか」だけだと、相手を責めているように見えることがあります。
直し方は、必要な理由と代替案を書くことです。
明日午前に先方へ共有予定のため、本日18時までに確認が必要です。
全体確認が難しければ、2ページ目だけ先に確認いただけますか。
次にやること
次にチャットやメールを書くときは、送信前に次の3つを確認してください。
相手にしてほしいこと:
期限:
見てほしい範囲:
仕事の文章は、相手に考えさせないほど親切になります。丁寧な言葉を増やすだけでなく、相手が次に動ける情報を先に渡します。
すぐにコピーして使う文例を探す場合は、チャット・メールテンプレートに場面別の型をまとめています。